《子供とゲームの課金要素について》





日々進化しているゲーム


現在、ゲームというものはその形を大きく変化させています。

テクノロジーの発展により映像は美しいCGとなり、
VR機器によってその美しいCGの世界に没入することも出来ます。
その一方で元来ゲーム機の制約であったドット絵が現在においても高い人気を博しており、
オセロや将棋、トランプやすごろくといった
昔ならではのアナログゲームを発展させたボードゲームも、
作る側が増えて新しいゲームが日々創り出され人々を夢中にさせています。

そしてそれらを融合させた〈トレーディングカードアーケードゲーム〉というものがあります。
古くはメンコ、
または1970年代に流行った「ビックリマンシール」といったカードの特性に加え、
カード内に組み込まれたバーコードを読み取ることで、
アーケードの筐体と連動してCG映像を作り出すゲームです。

昨今流行っているスマホアプリによるゲームやネット上でプレイできるゲームも
このカードゲームの性質を元にして作られたものが多くあります。
そしてこれらはカードの収集を遊び方の一つのとしたゲームです。

ゲームセンターや大型スーパーのゲームコーナーに設置されているアーケードでは
1プレイ100円。
スマホアプリによるゲームではプレイ自体は無料です。
しかし、同じゲームをしているプレイヤー達に勝ち抜くため、
また収集したカードで優越感を得るためには、
時に多くの時間とお金を費やさなければならないことがあります。

ゲームは人が作り上げたものであり、そこに料金が発生するのは至極当然のことです。
ですが、人間の収集癖と射幸心を過剰に煽り、
そこにお金を注ぎ込みたくなる課金要素のあるゲームが存在することも確かです。


親であるならばゲームに対する認識を持つべき


暴力的な描写や性的な描写などのあるゲームは
日本国内においてCEROという段階に応じての年齢区分を設けています。
これはあくまで年齢区分であり「年齢制限」ではありません。
「有害図書指定(または不健全図書)」となれば各地方自治体によって規制がなされますが、
有害図書指定を受けた印でもあるCERO-Z以外の年齢区分に関しては規制はありません。

また、CEROの区分基準はゲーム内の描写に重きを置き、
例えCERO-Aである全年齢対象と定めたゲームであっても、
ゲームシステムがギャンブル要素の強いものであるものも存在します。
決して「CEROの年齢区分に沿っているから安心」と安易に考えてはいけないのです。

度々、親のクレジットカードを盗んだ子供がスマホゲームの課金で
何十万と使い込むという事件が起こります。
これは家庭内であってもクレジットカードを安易に保管してしまっているという、
親の金銭管理能力の欠如も非難されるべきであると思っておりますが、
今回私が問題にしたいのは、
スマホ等を持たない
低年齢の子供達に人気のあるトレーディングカードアーケードゲームの方です。

トレーディングカードアーケードゲームは実際のカードが出てきます。
当たり前ですが、これはスマホゲームにはないものです。
スマホゲームで得たカードやアイテムは他人に譲る事が難しく、
ましてや実際のお金に換金することはできません。

しかし、実際のカードが出てくるトレーディングカードアーケードゲームは違います。
中古ショップに行けばプレイヤーによって売られたカードがズラリと並んでいます。
他者より有利となるカードまたは魅力的なキャラクターのカードは手に入れることが難しく、
時に高額の値段が付くことがあります。

多くの子供達が一度は通るカードゲームの魅力。
そして子供達が何気なく持っているカードは
実際のお金に換金可能な資産であることを認識している親はどれほどいるのでしょうか?
「貸したつもりだった」「貰ったものだ」という
オモチャによる子供同士のトラブルは付きものであり、
「約束を破ったから子供のオモチャを没収する」というのは昔からよくある親の行動です。
カードに限らず、たかが子供のオモチャだからと言って
親がその資産認識を誤るのは愚かなことです。

とはいえ、ほとんどのカードの取引相場は10円程度。
プレイを有利にするカードは300円〜3,000円前後。
中には1万円以上の値が付くものもありますが、
そんな大人が作った相場と照らし合わせながら遊んでいる子供なんていません。
カードゲームの魅力は友達との交換も含まれており、
子供同士のカードの取引きは勉強では得難い経験でもあります。
もし中古ショップで目当てのカードが売られているのであれば、
よほど高額なカードでもない限り、
1プレイにかけるお金と時間、
そして目当てのカードが出てくる確率を考えれば安いものと言えるでしょう。


我が家の課金ルール


私たち夫婦は
つっつ君が将来的にトレーディングカードアーケードゲームに興味を持つことを前提に、
ゲームの課金要素の是非について昔から頭を悩ませていました。
特におかあさんはゲーマーであり蒐集家でもあったので、
収集の底深さを知っていたこともあり、
このルール作りは議論に議論を重ねたものでした。

結論として、我が家では『ゲームは楽しむためのもの』を原則とし、
勝ちや自慢にこだわるための課金はNGとしながらも、
楽しくゲームするためのある程度の課金は、
『楽しむに至るまでの時間を節約するために積極的なOK』としました。

一人の親として、子供には
「負けた分を取り返すために次は倍の賭け金で勝負する」とか、
「他人と差をつけるために高価のものを着飾って自慢する」といった人間には
なって欲しくはありません。
しかし、それと同時に
「どうせ弱いから自分は諦める」という人間にもなって欲しくはないのです。

将来的に高額課金への抵抗が薄くなってしまう危険性を認識しながらも、
ゲームそのものが進化し続けている以上、
親はゲームを見極め続けなければならず、
決して油断してはならないルールとして自分自身に対して定めたのかも知れません。

そしてとうとう先日、
つっつ君は中古ショップで自分の気に入ったカードを手に入れました。
しかし、手に入れたカードを大事に大事に握りつつも
「カードはやっぱり買うよりもプレイして出てきたカードの方がいい」とも言ったのです。

正直言ってこの我が家の課金ルールがつっつ君にとって最適解であったのかは分かりません。
結局、子供の感性を無視して作った区分やルールは、
子供にとって意味を成さないということなのかも知れません。


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